インターネットの普及に伴い、Webの存在の重要度も益々高まり続けている。
普及するということはその対象が身近になることとイコールであるともいえ、法人は言うまでもなく、個人でホームページを持っている人もそうめずらしくない。ある調査によると、小学校高学年女子の約7割が個人のホームページを所有しているという結果が出たそうだ。
それは裏を返せば、小学生でも作れるほどWeb制作が簡単で敷居が低くなったということである。企業も外注から社内に部署を立ち上げて運営するところが多くなり、Webそのものの存在価値が高まるのとは裏腹に、Webデザイナー、Web制作会社にとっては競争の激しい時代を迎えるのは間違いないだろう。
そんなこれからのWeb業界を生き残るには何が必要か?
自分なりに考えてみたが、それは、時代のニーズに応えうるスキルの高さじゃなかろうか。
前述のようにWebを立ち上げるだけならば誰でもできるが、そのWebに付加価値を加えるとなるとそうもいかない。美しいデザインやSEO、CSS、こういった付加価値に対する技術と知識を常に磨き続けていれば食うに困ることはないんじゃないかと個人的には思う。
Rikiyの目指すWebとは、それを踏まえた上でのマルチデバイス構造である。
今日、Webは閲覧する環境を選ばなくなってきている。携帯電話をはじめPDA、テレビ、果ては冷蔵庫でもインターネットができるにも拘わらず、現在のWebのほとんどがPCでしかまともに閲覧できない。似たようなことで「どんなブラウザ環境でも同じように見えるソースを書く」というのはプロなら当たり前のようにやっていることだが、「どんなデバイスでも同じように見えるソースをかく」ことは不可能だ。最も性能の低いデバイスに合わせて作成すれば可能ともいえるがそこにはデザインも何もない。
「どんなデバイスでも同じに見えるように」ではなく、「デバイスに合わせて見せ方をかえる」ソースならばCSSとJavaScriptの併用で実現が可能だ。本サイトも将来的にはその形にすることを前提にデザイン、コーディングされている。デザインや仕組みの制限が多少でてしまったり、CSSのバグに悩まされたりとでまだ実用段階には至っていないものの、これができれば全てのデバイスでひとつのソースを共有できるということになる。
例えば、PC用のサイトと携帯用のサイトの両方を運営しているクライアント(例えばパチンコ屋なんかがそう)にとってこういう構造はありがたい。更新のたびに各環境用のソースを書き換えなければならないとなると工数もかかるしミスも起こりやすい。しかもそういうサイトに限って更新頻度が高いケースが多かったりする。マルチデバイス構造ならば制作時に多少高くついても、長い目で見れば最終的にコスト削減にもなるだろう。おのずとテキストベースの構造になるのでSEOの観点から見てもまずまずといえる。
マルチデバイス構造、これからのWeb業界において主流になるとは言いがたいが、少なくともニーズは見込めると信じ、日々精進中である。
(2004年11月27日)