Webの担う役割の本質とは「情報伝達」であるとRikiyは考える。
こと情報伝達の手段としては最もコストをかけることなく広範囲に知らしめられる、ある意味最も理に適った形体であるといえよう。この数年で急激な発展を遂げたことも当然の結果とうなずける。
その本質に沿って「良いサイト」とはどういうものかを考えた場合、それは「伝えたい情報が伝わるサイト」ということになる。
情報と一口に言ってもその形は様々であるが、その殆どは「知識的情報」と「知覚的情報」に分類できるだろう。
簡単に言えば「知識的情報」とはページに記述された内容そのものであり、「知覚的情報」とはページのデザインであったり画像、演出といった部分であるが、Webにおける情報の9割以上は前者である。それは我々が普段何を求めてWebを開いているかを振り返ればわかるはずだ。
そういう捕らえ方でみると、Webデザインとはまさに「知覚的情報」そのものといえる。
デザインを起こす時、そのサイトがビジュアルそのものをみせる目的の知覚的情報伝達型であるならば、それこそ自分のセンスを爆発させたデザインをFlashなども使ってバリバリこしらえても何ら問題は無いだろう。しかし前述の通りこのタイプのWebは少数派である。
我々が通常手がけるサイトの大抵は内容をみせる知識的情報伝達型であり、その場合にそれをやってしまうことはタブーに近い。
理由はただ1つ、真に伝えたいものが伝わりにくくなるからだ。
何も考えずデザイン志向に走るとどうしても文字が小さくなってしまったり、複雑なページレイアウト・配色になりやすい。例えそれがどんなに見栄えがよいものであっても、ページの内容を求めて訪れたユーザーには無駄に動くだけのめまぐるしく読みづらいだけのページと捕らえられてしまうし、何も知らずに訪れたユーザーはそのページが何を言いたいのかがわからないのではそのデザインをした意味が無い。
ここでデザイナーが念頭におくべきことは「観せたいものを観せるデザイン」だ。
知識的情報伝達型のWebデザインは伝えるべき情報があり、その伝達を促すための補助要素であるとRikiyは考える。伝えたいことがより伝わりやすく、更に言えば情報を求めている人間がそのページに辿り着きやすいように、それを念頭において考え出されてこそデザインは初めて意味を持ち、「良いサイト」となりえるのだ。
それ故にRikiyはCSSとSEOにこだわるのである。
(2004年12月01日)