SEO・SEM対策を本格的に施すならば様々な知識や技術を基にサイトを根本から見直していく必要があるが、そんな中誰でも手軽にできて、かつそれなりの効果が見込めるSEO・SEO対策の一つが「キーワード選定」である。今回はRikiy流簡単キーワード選定法をお教えしようと思う。
検索エンジンの検索結果からのアクセスが今の時代、サイトへのアクセスのうち大きな割合を占めていることは言うまでもない。「キーワード選定」は主にこのルートからのアクセスを増やすためのテクニックというわけだ。キーワード選定におけるポイントは、「サイトテーマ・ページテーマとの整合性」、そして「キーワード自身のニーズ」、この2点であるとRikiyは考える。
まず「サイトテーマ・ページテーマとの整合性」だが、これはSEO・SEMにおける大前提といえよう。サイトテーマ・ページテーマに則していないキーワードでアクセスが増えてもそれは全く意味のないことである。次に「キーワード自身のニーズ」だが、これは簡単に言うと、ユーザーができる限り検索しそうなキーワードを選ぶということなのだが、いまいちピンと来ない方がほとんどだと思う。実はキーワード選定における肝であり、SEO・SEMを理解していなければ考えが及ばない部分でもあるのだ。
この2点を頭に置いた上で、実際に当サイトのキーワード選定を例に考えていこう。
サイトテーマ・ページテーマとの整合性
「Studio Rikiy」はWEBデザイナー兼漫画家志望RIKIYの創作&コミュニティースペースです
トップページに掲げているこれが本サイトのサイトテーマである。当たり前なことだが、整合性をどうこう言うためにはまずサイトテーマを明確にしなければならない。それにはこうしてそのサイトを一言で表す要約文を考えることをRikiyはお勧めする。そのままhtml内に仕込むdiscriptionにもなるし、なにより選ぶべきキーワードがほぼ見えてくる。サイトテーマを踏まえ、自分のサイトがどういうキーワードで検索した人に見てもらいたいかを考えて連想すると、"オリジナル,漫画,イラスト,WEB,デザイン,漫画家志望"、本サイトの場合はこんなところだろうか。
基本的に素直に選べばテーマと大きく食い違うことはないし、もっともらしく説明しているものの当たり前といえば当たり前の考え方なのでこの部分はあまり難しく考えずに作業して欲しい。
キーワード自身のニーズ
サイトテーマ・ページテーマとの整合性という条件を満たす過程で、まずは核となるキーワードをピックアップすることができた。次に「キーワード自身のニーズ」という条件を満たすことで、これらのキーワードをさらに振るいにかける。
振るいにかけるとはどういうことか?そもそもキーワード自身のニーズとはなんだろうか?
例えばチョイスしたキーワードの一つの「漫画」という単語は、意味としては一つだが普通に「まんが」とも書くし「マンガ」とも書く。「WEB」「ウェブ」でも同様のことが言えよう。このように汎用的に複数の表記が存在する語句は、それを考慮に入れずに文章を書き始めるとサイト内での表記が統一されていない場合が多い。そうなってしまうと検索エンジンはこれらを別の言葉として認識するため、結果的にキーワードが分散して全体的な意味合いが弱まってしまう。SEO・SEM的観点から考えると、基本的にこういった表記は統一したほうが望ましいだろう。
そうなると悩むべきはいずれの表記で統一するかという選択である。この判断基準こそ「キーワード自身のニーズ」なのだ。
「キーワード自身のニーズ」とはすなわち、そのキーワードに対する需要と供給の割合を指す。
例として「WEB」「ウェブ」を比較してみよう。SEO・SEMにおけるキーワードの供給とはずばり検索結果のヒット数のことを指す。検索をかけてより多くのページにヒットするということは、その単語がそれだけ一般的に使われているということに他ならない。「WEB」「ウェブ」それぞれのGoogleによる検索結果のヒット数をみてみるとその差は歴然、「WEB」のヒット数の方が圧倒的に多い。そもそも英語表記と日本語表記では使用範囲が違いすぎるので当然の結果といえよう。
では「WEB」に統一するのがよいのか?
そうではない。これはあくまで供給量なのだ。ここが最も重要かつ見落としやすい部分なのだが、この数字は需要量と比較してこそ初めて価値が出てくるのである。
SEO・SEMにおけるキーワードの需要とはそのキーワードに対する検索回数を指す。
どんなに品揃えをよくしてもお客が来なければ物は絶対に売れない。同じく「WEB」というキーワードがどんなにヒットしてもそのキーワードで検索をかけているユーザーがいなければ、つまりそのキーワードに対する需要が無ければ全く意味がない。
需要と供給、この二つの数字の比率からはじき出されるのがRikiyのいうキーワード自身のニーズであり、一般的にKEI(キーワード有効性指標)とよばれるものである。
KEI(キーワード有効性指数) = 検索回数(需要)2 ÷ 検索結果数(供給)
KEIは上記公式より算出される。算出される数値が高ければ高いほど、需要量の割に検索結果数が少ない、いわゆる狙い目なキーワードといえるわけである。
KEI算出はキーワード選定において非常に大きな武器になるのだが、その作業は非常に面倒である。そもそも検索結果数はともかく、検索回数は個人で調べることは到底できないだろう。
そこでお勧めしたいのがEC studioが運営するサイト、「無料登録ドットコム」のキーワードアドバイスツールプラスだ。これはKEI算出ツールで、算出対象キーワードを入力するだけでGoogleとYahoo!に対するKEIを関連キーワードとの組み合わせによるものも含めて算出してくれるという優れものだ。
これを使って「WEB」「ウェブ」それぞれのKEIを算出したところ下記のような結果が得られた。
このツールは月間検索数基準で上位20キーワードを表示するのだが、その結果からは非常に様々なことが読み取れる。
まず両者の単体キーワードに注目してみよう。月間検索数で比較すると「WEB」が27,626回、「ウェブ」が5,921回と「WEB」の方が4倍以上多い。しかしGoogleKEI数値で比較すると「WEB」が0.3、「ウェブ」が7.1と逆に「ウェブ」が約20倍高く、Yahoo!KEIでも同じような結果となっている。
つまりキーワードのニーズは「WEB」よりも「ウェブ」の方が高い。
したがってアクセス数の増加を望める表記は「ウェブ」であるという結論が得られる。これがRikiy流簡単キーワード選定法だ。
この選定法を紹介した上で最後に断っておきたいのは、この方法はあくまで目安でしかないということである。
結局のところ「簡単」「誰にでもできること」で他人との差はつけられない。
SEO・SEMの結果に決定的な差を生むのはこうして理論や計算で導き出された結果を個々の考え・発想によってどう解釈するかにあるとRikiyは思う。
例えば先程のKEI算出結果に戻り、その他に算出された複合キーワードに注目して欲しい。当サイトに関連しそうなものを緑枠で囲ってみたが、どちらもKEIは単体キーワードよりも複合キーワードの方が圧倒的に高いということにお気づきだろうか。
近年の調査によると、検索の際に1語でサーチするユーザーは年々減っており、2〜3語での検索が増えてきている。つまり現在は複数キーワード検索が一般的であり、それがこうして結果として現れているのだ。
それを考慮に入れて考えた場合、「漫画」「デザイン」「デザイナー」と当サイトに関連するキーワードと複合で数多く高KEIをはじき出している「WEB」の方が、総合的にSEO・SEM的に有利であるという見方もでき、当サイトでは実際この考え方で「WEB(Web)」に統一している。
この選択が正解かどうかはもちろんわからない。だが間違いともいいきれない。大切なのは試行錯誤することだ。
皆さんもこのキーワード選定法の結論を鵜呑みにせず、むしろそれを足掛かりに自分なりの見解や発想で更に一歩踏み込んだ結論を導き出していって欲しい。
(2005年5月1日)
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