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日本語ドメインとSEO・SEM

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日本語ドメインとはいわゆる国際化ドメイン名・多言語ドメインと呼ばれるものの1つである。

2003年から利用開始され早5年目なわけだがこの日本語ドメイン、正直あまり普及しているとは言えない。
URLに含まれている文字列は検索エンジンにとってサーチの対象なのでキーワードを直接URLにできるというのは一見するとSEO・SEM的観点からはかなり魅力的ではあるが、普及しない原因はそれ以上にデメリットが大きいからであろう。

日本語ドメインが抱える問題点

Rikiyが考える日本語ドメインの現状の問題点は、主に下記のようなものだ。

  1. 日本語圏以外には非対応である
  2. 日本語ドメイン非対応ブラウザが存在する
  3. メールアドレスが使えない
  4. 各種サービスが未対応であるケースが多い

日本語圏以外には非対応である

まずは言語依存が当然の問題として挙げられるだろう。
加えて言うならばアクセスするのに有る程度の漢字の知識が必要になるため、事実上年齢制限をすることにもなる。
サイトターゲットが国内であるならば戦略として有効な場合もあるかもしれないが、基本的には「世界中のどこからでもリアルタイムにアクセスできる」というWebそのもののメリットと矛盾するのでやはり避けるべきであろう。

日本語ドメイン非対応ブラウザが存在する

これはある意味時間の問題だが少なくとも現状ではかなり致命的だ。
というのも、各ブラウザの対応状況の詳細については公式サイトにてご確認いただきたいが、IE6以下が非対応なのである。
最新版の7では対応済、6と5についてはプラグインをインストールすることで一応利用可能とはいえ、アップデートに鈍感だったり、こういったプラグインのインストールに抵抗を持っているユーザーは多い。未だ圧倒的シェアを誇る環境でこの制限は壁といえよう。

メールアドレスが使えない

このドメインで発行されたメールアドレスはURL以上に言語依存の問題が大きい。
まぁメールアドレスは必ずしも利用する必要もないのでSEO・SEM的な問題とは直接関わることはないだろうが。

各種サービスが未対応であるケースが多い

最後に、意外と見落としがちだが重要な問題なのがこれだ。
特に商用サイトの場合、広告戦略上各種ポータルサイト、ディレクトリ検索、リスティングなど様々なWebサービスにサイト登録をすることがあると思うが、その際に日本語ドメインだとそれが出来ない可能性がある。
原因はおそらく登録時にURL入力が半角英数でしかできないようになっている、といったシステム上の仕様の問題であろう。
ちなみに昨年末、Rikiyがある案件に関わった際に利用を想定していたポータルサイトに対し本件を問い合わせてみたところ、6件中5件がNGであった。
断言は出来ないが、現時点においては登録できないサービスの方が多い、と考えてよいだろう。

日本語ドメインの可能性と将来

これらデメリットに対して日本語ドメインを使うメリットとは、結局URLに日本語を使うという「インパクト」とそれによる「SEO的効果」であろう。しかし「インパクト」は普及と共にその印象を失ってゆくだろうし、「SEO的効果」も残念ながら現在特筆するほどの効果が得られるわけではないらしい。

これらから結論づけると、残念ながら現在日本語ドメインを利用することは一般的には得策ではない。
日本語ドメインのメリットをデメリット以上に活かすことのできる広告戦略を持ってのみしかその効果は得ることは難しいだろう。

ただこれらデメリットは、どれも絶望的なものではない。
少なくともブラウザとサービスの対応については時間の問題なので数年後には無視できることとなるだろう。言語依存についても厳密には他言語圏からのアクセスが全くの不可能になるというわけではないのだ。

そこは運用側も考えていて、日本語ドメインを含む多言語ドメインは、技術的にはサーバーにアクセスする際にソフトウェア(ブラウザ)側で英数字だけの文字列に変換されて送信される仕組みになっている
この変換にはPunycodeと呼ばれる方式が使われているのだが、要するに日本語ドメインは本来の日本語表記のドメインとPunycode変換によって生成される英数字表記のドメインの2通りのアドレスが割り当てられているということになるのだ。

日本語ドメインのPunycode変換・逆変換は公式サイトで提供しているツールで確認することができる。
この方法で「http://日本語.jp」を変換すると「http://xn--wgv71a119e.jp」となり、両者はどちらも同じサイトを指す。
つまり他言語圏ではこのPunycode変換表記アドレスを利用できるように配慮できれば言語依存の問題も一応解決できるというわけなのだ。

ただしご覧の通りPunycode変換表記アドレスは長い上に文字列的に何の意味もないので日本語ドメインとしてのメリットは無くなる。若干のコストを惜しまないのであれば、日本語ドメインとは別に通常の英数字ドメインを取得して2つのアドレスを割り当てる方が無難だろう。
もっともこの場合、いずれにしてもSEO・SEM的には1つのサイトに対して複数のアドレスが存在することでサイトパワーが分散される、という問題は残るわけだが。

まぁこうした問題にはいずれ何らかの解決方法が打ち出されてゆくだろう。
魅力的なものであることには違いないので今後に期待したい。

(2008年2月3日)


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